大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和31(オ)272 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

論旨は、手形法一七条但書に関する原審の解釈適用を争うけれども、手形債務者

が所持人の前者に対する人的抗弁を以て所持人に対抗するがためには、その所持人

が悪意すなわち前者に対する人的抗弁事実の存在を知るだけでは足りず、手形債務

者を害することを知るを要すると解すること当裁判所の判例とするところであり(

昭和二六年(オ)第六〇三号事件、昭和二九年一一月一八日判決、参照)、右要件

事実の存在につき何等主張立証のない本件において、原審が上告人の所論抗弁を排

斥したのは相当であつて、此の点につき所論違法なく、論旨は理由がない(なお論

旨引用の判例はいずれも本件に適切でない)。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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